「みなとオアシス」に登録

【回顧2025(田原市)】伊良湖地区の港を核にしたにぎわい創出取り組み始動/特有の課題想定 「半島防災」目指し総合訓練

2025/12/25

「みなとオアシス」の登録証交付式(9月13日、伊良湖緑地で)

 田原市は今年、県内を代表する観光地の一つ、伊良湖地区の港を核にしたにぎわい創出の取り組みを始動させた。一方、「半島防災」として、孤立化など半島特有の課題を想定した訓練を初めて実施するなど、災害に強い地域づくりを進めた。

 9月、伊良湖一帯にある観光施設や観光資源などが、国土交通省港湾局の「みなとオアシス」に登録された。県内で3カ所目、全国で169カ所目となった。

 みなとオアシスは、「みなと」を核としたまちづくりを促進する制度。登録された「みなとオアシス伊良湖」は、海上交通の結節点としての役割や地域産物の販売などの機能を備える道の駅「伊良湖クリスタルポルト」を代表施設に、伊良湖菜の花ガーデン、ナショナルサイクルルート「太平洋岸自転車道」、恋路ケ浜などで構成する。登録証交付式は9月13日、伊良湖緑地で開かれた。

 みなとオアシス伊良湖運営協議会が、PR活動や海産物を使った「Sea級グルメ」の考案、近隣施設との連携などでにぎわい創出を目指す。早速、グルメの開発が進められ、年明けから宿泊施設や飲食店などで本格的に売り出される。

 渥美半島の防災対策では、1月、南海トラフ地震で半島先端の渥美地区が「陸の孤島」になった場合を想定した防災訓練が実施された。がれきなどを処理し、緊急車両が通行できるよう救援ルートを確保する道路啓開の訓練などを行った。

 半島沿いの国道2本は緊急輸送道路だが、南海トラフ地震の被害予測では津波や液状化で寸断の恐れがある。中央部を貫く道路がなく、先端地域の住民約1万7000人、観光客約1000人が長期孤立する可能性がある。このため市は、昨年1月の能登半島地震の事例を踏まえ、道路啓開などを訓練に盛り込んだ。

 8月の県、市主催の総合防災訓練でも、孤立地域を想定した訓練を展開した。

 また、山下政良市長は6月、半島防災の一環として国道259号の交差点立体化など既存道路の整備を優先する方針を示した。

 サーフィンによる地域活性化策「サーフタウン構想」では、赤羽根地区の高松町に造成された移住者向け住宅地「LaSea(ラシー)」の分譲が進む。全25区画のうち6区画が成約済で、今月15日から第3期分譲(3区画)が始まった。

 ラシー近くの太平洋ロングビーチでは9月、世界大会が繰り広げられ、11カ国208人が出場した。来年のアジア競技大会ではサーフィン会場となる。

 このほか、「世界に誇れる花のまち」の実現に向け、三河田原駅前にフラワーフォトスポットなどが完成。バイオマス発電所の建設が進む三河港臨海部では、4カ所で商業運転が始まった。

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「みなとオアシス」の登録証交付式(9月13日、伊良湖緑地で)

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