豊川上流の生産力を活用/東三河9漁協
2026/08/21

河合組合長から話を聞く川原副知事㊨(新城市一色で)
えん堤などで魚が上るのが難しい豊川水系の上流部でも、天然アユの釣りを楽しめるよう、中流まで遡上(そじょう)してきた魚を集めて放す「くみ上げ放流」が昨年から始まった。寒狭川中部漁協(新城市)など東三河の9漁協が連携した取り組みで、「天然資源の循環につながる」と期待が高まっている。
20日には、寒狭川中部漁協が川原馨副知事ら県幹部を地元に招き、放流事業の説明会を開催。くみ上げ放流に協力している県水産試験場が実績を報告した。
担当者の説明などによると、天然アユの採集は4~5月、豊川河口から25キロ離れた新城市内の牟呂松原頭首工で実施した。昨年は約1・2トンをくみ上げ、上流部や支流へ放流した。
今年は天竜川水系の大入川漁協(豊根村)、振草川漁協(東栄町)にも範囲を広げ、約1・5トンを放している。
豊川の天然アユは近年、遡上数が増加傾向で、昨年度は過去最高の約1230万匹だった。数が多くなり過ぎ、魚体は小型化しているという。
一方、寒狭川中部漁協が昨年行った追跡調査では、放流した天然アユの体重は10月上旬までに約30倍の100グラム前後に成長した。
経営面でも、養殖ものの放流魚の購入代金を節約できた。アユ放流の経費は以前に比べ約54%削減できた。
同漁協の河合良昭組合長は、「えん堤で滞留している天然アユを資源として循環させる」と事業の意義を強調。「放した稚アユは30㌢近くまで成長し、豊川上流部の高い生産力が明らかになった」と胸を張った。
説明会に続き、出席者は豊川沿いでアユ釣りの様子を視察した。川原副知事は、くみ上げ放流について「可能性は非常に大きいと思う。新しいことにチャレンジし、川の資源循環を考えていくのは大事なことだ」と評価した。