豊橋技科大「多文化共修キャンパス」/市民も履修可など多様性社会実現へ
2024/12/13
豊橋技術科学大学の実施する、日本人学生と留学生が共に学ぶ「多文化共修キャンパス」を整備する事業が、文部科学省の支援事業に採択された。新たに設置する「共修科目」は、一般市民も履修することができるなど、大学の国際化が地域の多様性社会を実現する「ソーシャルインパクト」となることが期待されている。
国の「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業(地域連携型)」に採択されたのは、同大学の「グローバルテック・イノベーターを育む多文化共修キャンパスの創出」事業。2029年度までの6年間で4億5000万円の補助金が付く。
同大学ではこれまで、日英バイリンガル授業や国際共同学位プログラムの導入などで国際化を進め、留学生比率は14%の高い水準にある。事業ではバイリンガル授業をさらに拡大。人文科学分野で英語による講義を必修化する「リベラルアーツ共修科目」や、学年や専門課程を横断して多様な学生が共にものづくりを研究する「産学共修科目」を新たに設ける。
共修科目では、学問分野を細分化して履修証明する「マイクロクレデンシャル」を導入。履修者には科目修了を示す「デジタルバッジ」を付与して、学修履歴の可視化を図る。
学部4年生の必修となっている実務訓練での海外派遣の増員や、国際共同学位プログラムでの留学生拡大にも力を入れる。共修科目は一般市民にも開放し、ものづくりが盛んで外国人比率の高い東三河地域で、多文化共生への意識向上を図っていくことにも取り組む。
12日に開いた定例会見では、国際担当の中内茂樹副学長が事業について説明し、「いろんな国籍の学生が共に学び暮らすことの成功事例を市民に見てもらう。多文化共生のモデル都市としたい」と事業の狙いを話した。