「マイナーな野菜」セロリなど収穫体験好評/オープンファーム初参戦 静岡の生産者「次回も出たい」/「数人くれば…」結果は80人来場
2025/01/29
「次回のOFに参加したい」と語る加藤さん夫婦(静岡県湖西市内で)
昨年秋、東三河を中心に繰り広げられた人気の農業イベント「オープンファーム」(OF)に参加した47のうち初参戦した11の生産者らはどう思ったかー。そのうちの愛知県境に近い静岡県湖西市白須賀で農業を営む「さちとめぐみKファーム.」の加藤幸伸さん(54)、恵理さん(55)夫婦は、東日新聞の取材に応じ予想を覆す大勢の来場者に「最高の結果」と喜んだ。「次回も出たい」と意気込みを語った。
■「鮮度が違う」
―初参加の率直な感想は
ふたを開けてビックリした。来場者は午後の農園開園前に数組訪れ、閉園まで途切れなかった。地元や豊橋市の小学生、保育園児を持つ家族連れら約80人が訪れた。力を入れて広報をしなかったし、ホームページ(HP)で参加を知らせたのも遅く、「数人が来園すれば良いか」とあまり期待していなかっただけに、本当にうれしかった。
―ハウス1棟を開放し、セロリとラディッシュの収穫体験はどうだったか
私たち夫婦と会社員の娘、友人ら6人が応対した。来場した大人はOF用に育てたミディアムセロリを眺め、「どれを採ったら良いか」と聞き、採ったセロリを切って食べる人も。「市販で売られているものと鮮度が違う」と感心していた。子どもは「かわいい」と目を細めながら、ラディッシュを抜き楽しんだようだ。収穫したセロリやラディッシュを袋に詰めていた。
―加工品の販売も好調だったと聞いた
パン店や洋菓子店との連携で乾燥させた規格外のトウガンで、パンやクッキーをつくり販売した。「乾燥トウガン」などの甘酢漬けを加え、用意した加工品はほぼ完売。来園に感謝して来場者全員に小袋に入れたトウガンの乾物をプレゼントした。
―人気の理由は
食べているものだから収穫体験を通して野菜がどこで育てられるか、子どもに伝えたいと思う親が多かったのではないか。しかし、セロリ、ラディッシュといった「マイナーな野菜」に大勢の人が関心を寄せてもらったのはありがたかった。
■スタッフ頑張る
―ところで、加藤さんの周辺で参加した豊橋市の生産者のところも軒並みに来場者を増やした。
湖西市が事前に公式ラインでOFの紹介と私たちが参加すると伝えている。この影響で市内の人たちが豊橋市などに足を運び、来場者アップにつながったとすれば良かった。
―次回は6月1日。参加するか
HPにOFの来場者にお礼と次回開催に向け、「スタッフ一同で頑張りたい」と載せた。ラデッィシュの収穫体験のほか、収穫が始まるトウガンと湖西特産のブレイクメロンを実際に見てもらおうと思っている。最終的にどうなるかわからないが、来場者が喜ぶものを提供できればとも考えている。
来場者が開放された農場を巡り、農産物の収穫体験や直売を楽しむ農業イベント。主催する豊橋市のOF実行委員会が2020年11月から始めた。昨年11月の8回目で47の生産者らが参加し、最多の延べ約7000人が来場した。