東三河在住の 女性が市に寄贈/田原市中央図書館の外壁に設置
2025/03/06
宮沢賢治が渥美半島を詠んだ短歌などが刻まれた歌碑(田原市中央図書館で)
童話作家の宮沢賢治(1896年―1933年)が渥美半島について詠んだ短歌を刻んだ碑が、田原市中央図書館の外壁に設置された。東三河在住の女性(80)が市に寄贈した。
歌碑にあるのは「そらはれて くらげはうかび わが船の 渥美をさして うれひ行くかな」。賢治が20歳の頃、修学旅行で三重・鳥羽から蒲郡に向かう船上で詠んだ。併せて、賢治が記した「農民芸術概論綱要」から抜粋した一部も記されている。歌碑は縦約60センチ、横約100センチで、波や宇宙をイメージしたデザイン。
寄贈した女性は、風の音「どっどど どどうど どどうど どどう」の表現が有名な賢治の小説「風の又三郎」が好きという。渥美半島を詠んだ短歌を知り、「私たちが暮らしている三河の風景を(賢治が)見ていたと思うと感動して」と私費で歌碑を寄付した。
今月1日にお披露目され、歌碑を前に女性は「世の中にお役に立てば」と話した。
この日、中央図書館内では、歌碑の寄贈を記念し「宮沢賢治のおはなし会」が開かれ、紙芝居「どんぐり山猫」や朗読「雨ニモマケズ」などを図書館ボランティア「くぬぎの会」のメンバーが行った。