市民団体が独自に検証、遺族は再調査求める
2025/10/22
会見する(右から)中根さん、市野さん、清水芳卓さん=蒲郡市内で
蒲郡市竹谷町で昨年8月に一家5人が死傷した土砂崩れを巡り、市民団体が21日、市内で会見した。崩落の原因とされた「大量の表流水」の発生元を特定できなかった県の調査報告は不十分だとして、第三者委員会による再検証を求めた。
会見した「革新蒲郡まちづくり学校」は、県の報告書を独自に検証。元愛知大教授の市野和夫さん、市土地改良区の元職員・中根徳男さんらの調査を基に「周辺を通る豊川用水の漏水が主因ではないか」と指摘した。
県などの現地調査チームは5月に公表した報告書で、地表を流れた大量の水が崩落を引き起こしたと推定。
ただ発生元は特定できず、豊川用水の管水路にも漏水などはなく「影響は確認されなかった」とした。
中根さんは「長年、豊川用水に携わってきた。事後の通水テストで漏水がなくても、影響がなかったとは断定できないはず」と述べ、「被災者が納得できる答えが出るまで検証すべきだ」と訴えた。
会見を傍聴した被災者の遺族、北上泰代さん(43)は「原因が分からなければ、この先どうしたらいいのか分からない。今後また同じことが起こるかもしれない」と危ぶみ、再調査を強く望んだ。