豊橋市対策強化へ/大村町などで計113枚/昨年度は11枚…際立つ被害/転売目的か
2023/03/17
グレーチングが盗まれた側溝(豊橋市提供)
この半年間に豊橋市内で、道路の側溝にかぶせた格子状の鉄製のふた(グレーチング)が盗まれる被害が多発している。市は盗難対策を強化する方針だ。
市によると、昨年10月から今月までに大村町や神野新田町、石巻西川町、高洲町で計113枚のグレーチングの盗難が確認された。そのほとんどが今月に集中している。損害額は約100万円。市は豊橋署に被害届を出した。
昨年度の被害が1年間で11枚だったのと比べると、今年度の急増ぶりが際立つ。
側溝に「穴」が開いた状態では、人が転落したり、車が脱輪したりする恐れもある。市がグレーチングを発注しても在庫が足りず、現在は大半をコンクリート製のふたで代用しているという。
グレーチングは雨水を流すほか、側溝の中を掃除するために設置されている。1枚あたり約20キロの重さがある。狙われた場所は人目に付きにくい郊外が多い。スクラップとして転売目的で何者かが盗んだと市ではみている。
市は、グレーチングの脇に木のくさびを打ち込むことで固定して取り外しにくくしたり、本体に油性スプレーで市章を描いて簡単には売れないようにしたりする盗難防止策を考えている。現在は2カ月に1回のパトロール回数も増やすとしている。
市民に対しては、グレーチングがなくなっているのを見つけたら道路維持課=電話0532(51)2635=か、土木維持事務所=電話0532(25)8415=に連絡し、不審な車や人物を見かけたら110番通報をするよう協力を呼びかける。
同事務所の夏目博司所長は「公共のものを持っていってしまうのは残念」と悔しさをにじませた。
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