「いつでも誰でも簡単」に効果あり

舌トレで病予防の『タントレシート』販売開始/メッシュ販売のtantore

2025/03/09

「タントレシート」を発売した中河原社長(豊橋市内で)

 メッシュ製品の企画販売の「tantore(タントレー)」(本社=豊橋市)は2月末から、舌の筋肉を鍛えるシート状グミ「タントレシート」の販売を始めた。上顎に貼って溶かす行為で舌のトレーニングとなり、全身に好影響を及ぼす。医療や介護など各分野から問い合わせが寄せられており、同社は「いつでも誰でも簡単に使うことができる」と勧めている。

 製品は厚さ0・15ミリ。タテ20ミリで幅は30ミリのサイズ。天然甘味料を使ったブドウ味で、数分間なめて溶かし切る動きで筋肉を鍛えて舌が気道をふさぐ「舌根沈下(ぜっこんちんか)」を防ぐ効果が医科学会などで証明されている。

 罹患(りかん)者数の多い睡眠時無呼吸症候群(SAS)や、高齢者の死因で多い誤嚥(ごえん)性肺炎などに効果的。程よい甘みを感じ、楽しみながら病を予防できる。同社の中河原毅社長は「社運をかけて作り上げた。家族や大切な人にも贈っていただきたい」と話す。

 ◆豊橋から世界へ

 SASの患者数は国内で900万人、全世界で9億6000万人いるとされる。舌のトレーニングが効果的だが長続きしない課題があり、特殊な機器を装着する「治療」が主な対策とされてきた。中河原社長は、同社の独自技術を生かした「予防医療」となる製品を開発しようと企画に着手した。

 誕生のきっかけは偶然の産物だった。別の健康品を歯科医師に紹介した際、シート状のサプリが上顎に貼り付いたことから着想を得た。そこから数年かけて試行錯誤を実施。舌で触り続けられる厚みや誤嚥(ごえん)しないサイズ感、口内に貼り付いた上で虫歯とならない成分構成など、試験と製造を繰り返して完成に至った。

 同社は2018年創業。シートの開発を決めた後、社名は舌をトレーニングする意味の「タントレー」と決めた。製品化に至らなければ看板倒れとなる状態だったが「過去最大の苦難」という開発を成功させて販売に至った。

 プレ販売では3日間で約10万枚を受注。今年に県から「あいちサービス大賞・知事賞」を受賞し、介護施設や歯科から多量の注文も受けている。また産婦人科からの要望で、妊婦の体調や体形維持に配慮した「レモンミント」など新たな味も追加販売する。

 健康のために「舌の予防」という概念が薄い中で、理解ある人の支えを受けて「心が折れかけた」状態を乗り超えた。中河原社長は「自分の力だけでなく、多く方の支援のおかげ」と感謝する。

 今月下旬には、ドイツケルンである「国際デンタルショー」へ製品を出展する。「舌を鍛える文化を豊橋から世界に発信する」と意気込んでいる。

 注文は同社=電話0532(37)1157=へ(平日)。または社のウェブサイトかメール=info@tantore.co.jp=へ。

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