児童が校区内の防災状況発表

水害の教訓を伝え防災意識高める/豊橋・下条小学校

2025/06/15

防災について発表する6年生児童(豊橋市下条小学校で)

 豊橋市下条東町の市立下条小学校は14日、同校で防災訓練を行った。児童が授業で調べた校区内の災害状況について保護者や住民に発表。一昨年に起きた大規模な水害の教訓を地域に伝えて防災意識を高めた。

 6年生児童10人は4月から「僕らが下条校区を守るんだ」と題して校区内を調査してきた。この日は、避難所にある備蓄品の使い方や、家庭に必要な防災グッズを画像や動画で紹介。

 「今まで知らなかったことを知ることができた」や「事前の準備が大切であると分かった」などと感想を述べた。

 同校区は豊川(とよがわ)に近い低地で、河川が氾濫した際は広い範囲が冠水する。2023年6月の大雨時には、校区内を通行中の車が流されて市民1人が亡くなっている。

 校区で大地震が発生した際、同校と隣接する校区市民館が指定避難所となっている。しかし大雨時は浸水する危険性が高く、約2・5キロ離れた石巻生涯学習センターと玉川校区市民館が最も近い避難場所となる。

 そのため児童は発表会で「避難場所を知っていますか?」と住民に問いかけ、あらためて校区の特性を周知。「大雨の時は玉川校区まで避難しないといけない。間違えないように」と呼びかけた。

 一昨年の大雨時は午前中で授業を打ち切って保護者が児童を迎えに来た。学校は災害状況に応じ、体育館やグラウンド、校舎などを集合場所に設定している。この日の訓練では、災害を想定した「引き取り訓練」も実施。体育館に集まった子どもらを保護者が引き取るまでの流れも確かめた。

 校区には約400世帯が居住。梅雨となり、大雨による水害が懸念される季節となった。鈴木久美校長は「これからは守られる側ではなく、周囲の人や地域を守る側になってもらいたい。人ごとではなく、自分の問題と考えられる子に成長してほしい」と児童への思いを語った。

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