民間と協力 9月から県内初の実証実験/短時間 短期の求人出してもらい就労つなぐ
2025/07/16
アンケートへの協力を呼びかけるチラシ
豊橋市は、資格を持つものの現在は保育施設で働いていない「潜在保育士」が、どのような条件なら復職するのか調べる実証実験を9月から年内いっぱいかけて行う。民間のサービスを使う試みで、市によると愛知県内で初という。
実験では、保育士の就労支援を手がける「エンパワー・サポート」(金沢市)のマッチングアプリ「ちょこっとほいく!」を使用。市内の保育所や認定こども園、幼稚園に短時間や短期の求人を出してもらい、就労を希望する潜在保育士とつなぐ。条件が折り合えば10月ごろから働くことを想定する。
事前に対面やオンラインでのワークショップも予定している。
全国的に保育士が不足し、どう人材を確保するかが市内でも課題となるなか、フルタイムの勤務条件が潜在保育士の復職を妨げているとの仮説に立って実証する。
実験終了後も取り組みを続けるかどうかは、それぞれの園で効果を判断して決めるという。
市によれば、同じアプリを使って枚方市(大阪府)や中城村(沖縄県)、日野市(東京都)でも、ほぼ同じタイミングで検証が行われる。北陸地方では複数の園がアプリを本格導入済みという。
実証実験を前に、市は15日から保育士資格を持つ人向けに初のアンケート調査を始めた。潜在保育士には復職の条件などを尋ね、実験への参加を促す。広報とよはし8月号やホームページのほか、公共施設や店舗に貼り出すポスターやチラシで周知を図る。
現役の保育士には勤務先を通じて、匿名で仕事の満足度や負担感などを聞く。
ともに9月末まで回答を受け付ける。
市保育課の鈴木薫主幹は「保育士確保に特効薬はない。民間と組んで新たな手法で実証的に取り組みたい」と話した。