東三河の〝少数区域〟解消へ偏在調整
2025/04/04
東三河の薬剤師偏在指標
県は薬剤師の偏在を是正するため、2025年度からの5年間を計画年度とする「愛知県薬剤師確保計画」を策定した。東三河では病院薬剤師が少なく、他機関からの出向や派遣により偏在を補う方針を示した。
地域の薬剤師推計業務量や平均労働時間から算出する「薬剤師偏在指標」(2023年)では、愛知県は全国20位の0・93となり、全国平均を下回っている。
県内を11地域に分けた医療圏ごとにみると、新城市以北の「東三河北部医療圏」の指標は0・70で県内最低値、指標1・0以下の中で下位2分の1に該当する「薬剤師少数区域」に含まれる。豊橋市など「東三河南部医療圏」の指標は0・82。少数区域にあたらないものの、そのうちの「病院薬剤師」は0・67で、東三河北部の0・41ともに少数区域に位置づけられる。一方、「薬局薬剤師」は東三河北部・南部ともに少数地域にはあたらかった。
県内では、「名古屋・尾張中部」と「尾張東部」が、偏在指標が1・0以上の「薬剤師多数区域」に位置づけられた。
県は2036年までに、東三河の薬剤師偏在指標を北部で0・94、同南部で0・88まで引き上げる目標を設定。薬剤師を多く雇用する病院や薬局からの出向や派遣で偏在を調整していく。また、薬剤師の資格を有しながら、出産や育児などの事情で医療現場に従事していない人に対し、研修会や実習を開催して円滑な復職を促していく。